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​漢字の書き順は大切?

今回は書き順についてのお話です。

 

「書き順は大切だと思いますか?」

 

教育の現場で働いていますので、

当然「書き順は大切です」と表向きでは言わないといけません!(笑)

ただ、海外に永住の子に対しては、

学年が上がって書き順に力を入れる時間があるならば、

1つでも多くの言葉を覚える時間を確保したほうがいいというのが、実は持論です。

 

書き順は、『癖』になります。

ですので、正しい癖をつければいいのです。

 

ここで私が分類したデータを紹介します。

 

例えば、1年生で学習する「貝」。

小学生で習う漢字のうち、この「貝」が入っている漢字は22字。

(買、員、貨、賞、側、敗・・・などなど)

この「貝」を“部品になる漢字”と私は呼んでいます。

 

ここで質問です。

1年生で学習する漢字は80字。

その中で漢字の部品になっている漢字は何字あると思いますか?

 (ただし、一画の「一」は除きます。)

 

答えは58字。

1年生で学習する漢字のうち7割以上が他の漢字に入っています。

そして、小学生で学習する1026字のうち、

1年生の漢字が入っている漢字は、

なんと692字!!

(もちろん重複も含まれます。 → 例:音には、立と日が入っています。)

 

「癖をつける」という観点からいうと、

1年生で学習する漢字は、絶対に書き順を押さえるべきです。

 

ちなみに、学年が上がると、部品になる漢字は少なくなります。

6年生で出てくる「寸」のように、

ほとんど習い終わってから部品になる漢字を習う場合もあります。

(村、寺、守、対、得、博など)

 

学年が低いうちはできるだけ書き順を押さえて、癖をつける。

そうすれば、書き順を知っている部品が増えるので、

書き順をそれほど意識しなくても書けるようになってくるはずです。

 

学年が上がってからは、

「永住か日本に帰国か」

「今までに書き順に力を入れてきたかどうか」

で今後の学習の方針を判断する必要があります。

 

正しく書けるに越したことはありません。

しっかりとした癖がつくように、がんばってほしいと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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